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句集巣鴨・6

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通常 句集巣鴨・6

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1
前の投稿 - 次の投稿 | 親投稿 - 子投稿なし | 投稿日時 2009/9/12 8:12
編集者  長老 居住地: メロウ倶楽部  投稿数: 4298

 昭和二十三年・その二


  母の訃や囹圄(ひとや)に木の芽ふく朝(あした)          田中 稲波

  朝露や素足にからむ径の草

  石垣島関係処刑さる(一句)
  嘆願書も空し夏夜にきく處刑

  涼追へば窓に夕の雲去来 

  新涼の雲ゆく空に放恣の瞳

  犠牲(いけにえ)の哀しき性(さが)よ霧に立つ

  誦経の窓に初秋の雲光る

  静寂の刑場秋のうらみとも

  霜の朝富士清澄に歩を継がず

  冬の蝿佛書の上にある陽射し

  しのびよるものみなかなし冬日光

  濠軍関係の友マヌス島へ(一句)
  春嵐語れず眺め立つ別れ

  畑を打つ老囚かって將たりし

  春愁に歌論描寫の手をおきぬ


  白蝶は髙塀こえて行きしまま                     福岡 幽鳴子
 
  午后になって風あり街は鯉の空

  藤の花垂れ咲くはしに風のあり

  落ちつかぬ蝿を見てゐる房の晝
       
  手造りの團扇に故郷(くに)の山畫きぬ

  グランド草刈作業(一句)
  草いきれ鎌とぐ石を探しけり

  盆太鼓風にききつつ獄に病む

  関東の嶺々近々と菊の秋

  フレームの苗おのおのに影もてり

  この年も壁と對ひて暮れにけり

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