句集巣鴨・44
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編集者
居住地: メロウ倶楽部
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選者吟・その一
小峯 濤萃
昭和二十三年
さびしさに見廻はす獄裡雪明り
春の富士検事眺めぬわれも見ぬ
裁きへのかなしき旅よ夏の霧
ひぐらしを聞きぬ法廷控室
顔の汗重き手錠の袖に拭く
囚人と言ふ現実の汗を拭く
所内佛堂(一句)
首あげて曼陀羅拝す堂涼し
下駄飛んでありぬ時雨の絞首台
同塵翁眼鏡置きたる菊の卓
自害者の血黒き壁や冬日影
入れば締まる獄扉を視つむ年の暮
獄に募る憂さ如何にせん年の暮
昭和二十四年
たとへなきつつしみ父の初便り
ふるさとの無惨に恋し寒鴉
囚人なりし壁に春晝惜しむとき
松蝉を見上げて過ぎぬ死刑囚
つつぢ折り来るに獄吏は眞顔たり
風涼し宵の獄庭見てあれば
名月や下駄へ投げこむ格子影
あきつむし雲の中から湧くごとし
引かれつつくぐる灯赤しクリスマス
何事もなく夜となりぬクリスマス
年の夜と思へば淋し扉のひびき
こころよきぬくき蒲団のわが匂ひ
昭和二十五年
牢に年新たまることかなしみぬ
囚人と思へぬ落語春舞台
いろに似ぬ苺の味のさびしさよ
木蔭行く女囚なみだをふり向けぬ
眠られぬ晝やいくたび暑さ言ふ
夏痩せの顔夜の玻璃に驚きぬ
夏日負け脈とる医師も囚人たり
甲蟲外へ放して気安らふ
面會す父の古扇をかなしみつ
手枕の一疊寒し百舌鳥の聲
毛布干す死刑の屍出し門
古暦みかへしおのが齢憂ふ
昭和二十六年
水耕農場(八句)
わが通るときの新宿うすがすみ
駅の音丘の方より野はうらら
なつかしや踏んで惜しみし野のつくし
のどかなり大温室の中青く
たんぽぽを野に見ることの何年振り
春草の上をしみじみ歩きけり
別れなり握手つめたき五月靄
草の香がほのかに汗の手にありぬ
水蓮の葉上の蟻に似したつき
苔の香にわが経し獄の日を数ふ
水耕農場(四句)
氷うまし草に身を置く仕事の間
鉄路来てすがる荷蔭の氷桶
濃き日焼この身奴隷でなくて何
畝まぶし汗ふり拂ふ影小さく