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句集巣鴨・35

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編集者

通常 句集巣鴨・35

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1
前の投稿 - 次の投稿 | 親投稿 - 子投稿なし | 投稿日時 2009/10/15 14:10
編集者  長老 居住地: メロウ倶楽部  投稿数: 4298

 昭和二十六年・その一


  初明り(五句)
  手作りの暦飾りて明けの獄                  西田 東泉

  初明り折鶴飾る鉄の窓

  獄塀や望楼立ちて初日出

  初雀たちて遥拝の楽おこる

  書き初めの稿や虜囚記第五年

  人凍てて警燈冴えて獄の庭

  うろくずの銀のさ走り濃山吹

  地震止んで寒のひとやの夜半と知る

  薄氷や太きひとやの黒煙

  色のこき映画看板春の雪

  女工皆自転車通ひ草萌ゆる

  慰問団のりこむ東風のアーチ門

  大げさな物洗ひ来る春の水

  駒鳥や駒を捨てたる峠道

  囚役の遠出うれしき彼岸の日

  苗土を口突がらしてふるふ囚

  苗障子雫こぼして外しけり

  白い垣れんが坂径チューリップ

  薄氷や湖上に雲をたたむなり

  横なぐる氷雨又来て暮れの獄

  獄塀にビラ美しく花祭

  じゅんさいや金魚重ねて産卵す

  ひなげしの揺れをり人形作りをり 

  でで蟲の角さしのぼる監視塔

  暗く降る梅雨の食卓紅生姜

  みつ豆を食ふやひとやの大き匙

  蚊やりせし椽に大きな忘れもの

  よく育つ孵化の金魚や夏国の風

  水蟲の程も相似て親し友

  夏痩の眉をひそめて憂ひ来る

  鳳仙花こぼれ干物落ちてをり

  夕陽映ゆれんがの古塔鳳仙花

  朝?や朝よりむしゃうにうれしい日

  日傘あげ日傘あげつつ別れかな

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