@





       
ENGLISH
In preparation
運営団体
メロウ伝承館プロジェクトとは?
記録のメニュー
検索
その他のメニュー
ログイン

ユーザー名:


パスワード:





パスワード紛失

句集巣鴨・7

投稿ツリー


このトピックの投稿一覧へ

編集者

通常 句集巣鴨・7

msg#
depth:
1
前の投稿 - 次の投稿 | 親投稿 - 子投稿なし | 投稿日時 2009/9/13 8:46
編集者  長老 居住地: メロウ倶楽部  投稿数: 4298

 昭和二十三年・その三

 
  行春や女囚かすかに匂ひけり               保田 志空子

  刑受くる朝の歩廊や花菖蒲

  梅雨寒し護送車獄の門を出づ

  刑場につづく小径や蚯蚓鳴く

  ふらここの縄朽ちしまま冬木立

  隙間風空襲うけし日日のこと

  底冷えの今日釈放の友去りし

  いつの日か故郷の野に草焼かむ

  今日は今日明日は明日よと種子を蒔く          山下 南秋

  獄の日日碁に流れつつ春はゆく

  蝶飛んでキキと顔むく檻の猿

  相性は無口の父子梅に坐す

  船團は飛魚立たせ進みけり

  ドリアンに耳輪ゆれてゐて微笑

  椰子酒や大刺青のクーボ族

  花マンゴ四妻の同居老村長

  春愁や刑受く明日の髪を刈る               太田  都塵

  囚人となりし放心庭は春

  啓蟄や生き残りたるもの同士

  パッカード菜の花うつし通りけり

  風に耒て風に去る蝶獄淋し

  刑場を出て梅雨空のなほうとし

  逝く年や書簡の束をほぐし讀む

  条件検索へ