句集巣鴨・46
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編集者
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選者吟・その三
矢野 蓬矢
昭和二十三年
於メダン
スコールの叩き去りゆく獄舎かな
さらでだに獄愁の身に雨期は憂く
銀漢や地にうづくまる一囚人
銀漢は夜々冴え人は獄に飢ゆ
囀りにたのし望はすてまじく
一片の手にある紅葉独房裡
暦日のなき獄中に年惜しむ
昭和二十四年
於メダン
讀み初めや好きなロマ書第五章
初夢はさめて獄裡のわれなりき
春眠や煙草絶えたる眠たさに
闘魚句会命名(二句)
闘魚の眼一点に凝り鰭ふるふ
奇しき刺頭上に闘魚列びゆく
銃刑の友(二句)
蟲も泣け落葉も叩け名残の夜
春灯に涙痕とどむ笑顔かな
君偲ぶ窓やつぎつぎ流れ星
蚊にも慣れ獄の月日はただ流れ
囚われの身に本意なくもまた夏来
何もかも失ひはてて獄涼し
一とせはかくて廻りて獄日永
亦快事遲日の獄にころがるも
つれづれと又つれづれと獄日永
せめて虹たてよ運命の地を発つに
昭和二十五年
於巣鴨
春近き祖國を指呼にみな列ぶ
寒梅に芽麥にしかと祖國あり
巣鴨なる春待つ人に伍し了へぬ
寒天は蒼々虜囚の顔に蒼
めしうどに春草一莖雲一片
獄に朽つ身とな思ひそ木の芽風
冴え返る獄窓数奇の自傳書く
獄掟ばかばかしきなり春寒きなり
春光を来て上気して妻面会
囚はれの四月馬鹿の日めぐりきぬ
水耕途上(一句)
人呼んで戦犯通り蝉時雨
刑場の草とるめしうど今日の秋
新涼や牢にぼけたる顔二つ
わが変貌かくや秋水にかくや
秋風や獄に慣れ堕すわれとこそ
世にはるかはるかに隔て菊にあり
菊の香や罪なき罪を負ふも亦
時雨ぐせわれは居眠りぐせの獄
枕上下駄ならんだる夜寒獄
めしうどの遺品にありし木の実かな
獄囚に獄囚文学文化の日
傳統の文化傾く文化の日
わが悲願はかなく秋はいゆくめり
幾秋のかくて行き朽つわが身ぞと
昭和二十六年
於巣鴨
初デマの拡り早き獄の内
獄三歳ものもひ絶えて風邪に臥す
春遠からじと妻の文綿々
秋めくや釈放近しと誰も彼も