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句集巣鴨・23

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編集者

通常 句集巣鴨・23

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1
前の投稿 - 次の投稿 | 親投稿 - 子投稿なし | 投稿日時 2009/9/30 8:12
編集者  長老 居住地: メロウ倶楽部  投稿数: 4298

 昭和二十五年・その二

 
  心安く暾光をあびつ杜若                   三上 木草子

  春雷やひとやの句會終るとき

  朝靄のしるく紫陽花ほのかなる

  紫陽花の暾得しより地靄消ゆ

  卯の花のこぼるる朝の月しづか

  憂きことのたえず散りつぐ卯木かな

  不自由に耐へ且なれて単衣

  秋耕や暾にむらさきをよそふ富士

  穂薄の夕日にそよぐ園の隅

  朝焼のしるくて壇の菊咲けり

  秋風に日日萎えまさる花圃のもの

  刑場の茶の花小径掃くしじま

  囚役にいそしむ畑の霜柱

  掃き納めたる夜聖書をかたはらに

  石蕗の葉にたばしる庭の夕あられ

  草の芽やクルス眞白き異人墓地


  桐一葉大きく落つる幼稚園                 西田 東泉

  秋晴や赤くてひとやのアーチ門

  ガソリンのスタンド赤く葉鶏頭

  紅雀籠にとなりて紅小菊

  ある日ひとやしるしばかりの茸汁

  白萩や老囚多き獄の庭

  虜囚千皆萩咲くと便り書く

  秋風やのっぽの外人道よぎる

  石橋の動けばうれし紅葉狩

  かまきりや顔の尖んがる娘来る

  老歌人召され都へ文化祭

  老囚の土方仕事や霰打つ

  枯れて尚夕焼花の紅きかな

  気の合わぬ二人の房に夜寒かな

  人ちぢかみインコくさみす暮の獄

  一聯の警燈煌く除夜の獄

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