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句集巣鴨・36

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編集者

通常 句集巣鴨・36

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1
前の投稿 - 次の投稿 | 親投稿 - 子投稿なし | 投稿日時 2009/10/16 8:44
編集者  長老 居住地: メロウ倶楽部  投稿数: 4298

 昭和二十六年・その二


  水仙やひとりの生活閑多く                    作田 草塵子

  ベコニヤの一つの蕾春の風邪

  労役の鍬に秩父の山笑ふ

  假釈放のばされてゐつ菊根分

  水耕班にて(二句)
  雲孤なりわれ草笛を野に吹けば

  兵站基地貨車陽炎を煤け来る

  惜春の白紙がちなる獄日記

  T君出獄(一句)
  春愁や嫉む言葉のうつくしく

  春闌の言葉飾りて訣れなむ

  去るものは去って獄舎に夏来たり

  金雀枝や金魚生れし池の端

  屍室いま物置がはり黴の花

  死刑囚の遺稿は紙魚にまかせあり

  獄庭の句座向日葵のよきほどに

  美女桜花紫がとくに好き

  刑場の寝棺にとどく冬日かな

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