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句集巣鴨・29

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編集者

通常 句集巣鴨・29

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1
前の投稿 - 次の投稿 | 親投稿 - 子投稿なし | 投稿日時 2009/10/6 8:45
編集者  長老 居住地: メロウ倶楽部  投稿数: 4298

 昭和二十五年・その八

 
  老僧の衣の垢や春寒し                  市川 橘里

  青芝に童心湧きて逆上す

  還房に追はれ振り返る夏の海

  獄死者松崎さんの屍を見送り(一句)
  夏の蝶担架の道を慕ひ追ふ

  暑に耐ゆるこの身のやつれ破鏡置く

  吾が影の濃く又淡く秋の雲


  梅雨寒や壁にするどき爪の跡               斉藤 千葉子

  唄へるは若き無期囚花木槿

  鉄柵へ汗の獄衣を竝べ干す

  稲妻や二疊の房に床二つ

  秋灯や同房六人親しかり

  小さき部屋小さく飾りて年用意


  病監(一句)
  どの部屋も芒活けある新病舎               斉藤 一畳

  面会(三句)
  旅づかれ匿すマスクもうっちゃりて

  霙降る網越しの顔優しかり

  暖房の廊下に名残り振り向ける

  クリスマス頃大量釈放の噂ありて(一句)
  空頼み師走の風は用捨なく

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