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句集巣鴨・8

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通常 句集巣鴨・8

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1
前の投稿 - 次の投稿 | 親投稿 - 子投稿なし | 投稿日時 2009/9/14 8:16
編集者  長老 居住地: メロウ倶楽部  投稿数: 4298

 昭和二十三年・その四

 
  春寒し囚衣はなれぬ雲の翳               最上 鳴々子

  春愁や人なき松の韻きより

  爽かに人なきコート横ぎりけり

  よきあした瞳に白萩の咲き満てる

  枇杷咲くやにぶき陽移る塀の膚

  A級処刑(一句)
  ひそひそと落葉に雨を聴く夜かな


  糊練うて句帖を張らんこの夜永              北 三十彦

  雲を追ふ雲その上の秋の空

  千々の念こもりて獄に柿熟るる

  東京裁判宣告の日(二句)
  寂滅の秋を裁きの心とも

  秋灯す房寂定の夜を刻す
 
  霜冴ゆる鉄窓に樹影揺れやまず


  向つ舎の春老思惟の胸にしみ               平光 同塵

  裁判開廷(横浜)
  春雨の道裁判へとたいらかに

  炎天にクレーン動かずドック跡

  炭塊の一つ秋日をはねかへし

  朝焼けの筑波根遠く鳥雲に

  さわさわと夕日流せり黍の風

  遠くより麥畑を来る陽の翳り

  聲若き死囚の歌や五月闇

  打水や鍛工鐵を断つ火花

  戦盲の菊に觸れつつ妻と居る

  片減りのきんし吹かしつ仰ぐ雁

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