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句集巣鴨・42

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編集者

通常 句集巣鴨・42

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1
前の投稿 - 次の投稿 | 親投稿 - 子投稿なし | 投稿日時 2009/10/24 19:26
編集者  長老 居住地: メロウ倶楽部  投稿数: 4298

 昭和二十六年・その八


  罪意識なし強東風に打ち向う                 神住 童子

  噂する娘らその娘らが呉れし花

  出所の友へ(一句)
  あたたかな雨なり君はふるさとへ


  変圧器音を立てゐる桐の花                  溝口 烏帽子
  
  譴責を受け来し夜の蚊を憎む

  忘れたき事忘れ得ぬ雪のふる


  節分の豆ころがして獄の膳   河野 與一

  つぶらなる木苺の實に鎌を振る

  田島教誨師に贈る(一句)
  七夕や人の情にかわりなく


  孤児にしてその草笛のおどけたる               森 東洋

  閉ざされし獄門錆びて蜂這へり

  希望あり愚痴あり獄に暮れおそく


  あの頃のあの人が好き椿好き                 松山 翠巒

  話の穂人に取られて梅雨の獄

  八重山関(一句)
  その弱き故の人気や獄相撲


  さきがけてサフラン咲ける獄の庭               三上 木草子

  異國船派手に夏めく埠頭かな

  花棕櫚に落睴はなやぐ獄の庭


  帰還に際し刑死者の墓を訪ふ(チャンギー)(一句)
  夏草に小さき墓標を掘え祷る                 樋口 吐美

  涼風や同胞愛につつまれて               

  星港より帰還(三句)
  雨間の虫の細音の濡れてをり                 仲井 芝男

  水栓の音さわやかに帰還報

  船路いま祖国に近し夏の潮

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