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句集巣鴨・13

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編集者

通常 句集巣鴨・13

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1
前の投稿 - 次の投稿 | 親投稿 - 子投稿なし | 投稿日時 2009/9/19 8:41
編集者  長老 居住地: メロウ倶楽部  投稿数: 4298

 昭和二十四年・その二

 
  賀詞交はす而も新たな蜚語を足し              小林 逸路

  髪ぬれて耒し君故に春を言ふ

  春愁を或る夜星座に投げつける

  東風吹くや漠々の雲井照月に

  黙然と附會ききたり別れ霜
    
  逝く春を婦(つま)は手枷の夫(せ)に見(まみ)ゆ

  童話めく少女の聲よ花柘榴

  短か夜の稿白きままただ離愁

  梧桐や塀越して耒る街の霧

  蜚語ききて秋めく地衣の庭を来ぬ

  颱風の街ただ天にひれ伏して

  淡々(あはあは)と暮天に霙吸はれたる
       
  罵りに堪え来て朔風(きた)に瞳(め)を吹かる


  鍵音の鋭く獄の明け易き                      田中 稲波

  梅雨ぐもり「矛盾」の二字をなぐり書き

  反目の黙しに梅雨の房昏れぬ

  出獄の意識夕焼濃き窓に

  萩に風ふれゐる鉄扉ただ白し

  秋陽背に今行く人の亡母(はは)に似し

  晩秋のひかり煉瓦を運ぶ手に

  裸女の寫眞(え)が開かれしまま房寒し

  青木氏処刑(一句)
  佛像の光り獄廊朝寒く

  アトリエの中もすなはち冬の獄
    

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