@





       
ENGLISH
In preparation
運営団体
メロウ伝承館プロジェクトとは?
記録のメニュー
検索
その他のメニュー
ログイン

ユーザー名:


パスワード:





パスワード紛失

句集巣鴨・37

投稿ツリー


このトピックの投稿一覧へ

編集者

通常 句集巣鴨・37

msg#
depth:
1
前の投稿 - 次の投稿 | 親投稿 - 子投稿なし | 投稿日時 2009/10/17 8:00
編集者  長老 居住地: メロウ倶楽部  投稿数: 4298
 昭和二十六年・その三


  ここはここだけの年賀やかしこまる            原 紅泛子

  スガモの庭(十二句)
  スイトピーの蔓雨雲にいどみつつ

  ぐつしよりと梅雨のベコニヤ濡れ乱る

  低き陽の虞美人草に蝶白し

  風そよぎグラヂオラスに蝶交む

  垂れ乱るグラヂオラスに豪雨去る

  向日葵に網戸開ける窓眩し

  朝日さししばしを菊に歩むなり

  カナリヤはひそと小菊の黄が咲けり

  氷浮く池のいつまで昃りをり

  石小橋古りて影置く濃紫陽花

  金魚の仔見んとつつじに跼りぬ

  つつじ咲き水をいろどり金魚かへる


  遠野火も見え妻と居し夢なりき              北 三十彦

  春水に試歩の煙草を投げて行く

  駒鳥や茶をのみさしに主留守

  陽炎に狂妄の眼うつろなる

  陽炎や試歩を扶けて刑務官

  山吹に手術室より来る斜光

  春深し奥多摩晴れてささ濁り

  時に死も妬まし松葉降りしきる

  あるものは大地を刺して松落葉

  夏めくや蒸れし香ひの蒒ひ土

  闘志尚あり夕立の窓に立つ

  掌をそれし蚊を見送りて今日も無為

  条件検索へ