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疎開児童から21世紀への伝言 8

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編集者

通常 疎開児童から21世紀への伝言 8

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1
前の投稿 - 次の投稿 | 親投稿 - 子投稿なし | 投稿日時 2010/5/29 7:22
編集者  長老 居住地: メロウ倶楽部  投稿数: 4298

仮想ブログ「太郎伝説」・その4

 清野登代松(西潮田校)


一郎から太郎へ 「弟のこと」

 弟の輝雄は病死した
 年寄りっこでひ弱な上に医者も薬も不自由だったしね
 生まれてからずっと下痢していたものね
 疎開前に輝雄の固いウンチ見たことなかった
 末っ子のお前は輝雄から「お兄さん」と呼ばれるのを楽しみにしていたのに
 叶わなかったね


太郎から一郎へ 「稲刈り」

 刈り入れの時期です一家総出で稲の刈り入れをしました
 横濱の学校から学生が二人勤労奉仕に泊り込みで来ました
 仕事は脱穀と運搬
 若い彼らにとってもこの仕事は相当にコタエたらしく結構疲れたみたいです
 僕は夜 勉強を教えてもらいました
 彼らは良く食べました 僕たち居候と違って客人ですから
 ふかしたサツマイモを囲炉裏で焼いたのとか
 僕にはくれないものが振舞われていました
 お風呂は一緒でしたが どだい処遇が違います


一郎から太郎へ 「勤労奉仕の学生」

 二人居たうちの一人は 将来お前が就職する会社で
 偶然お前の上司になる人物だ 名前を覚えておけ
 名前は彼が持つ手拭いに墨で書いてある
 ここで書いてもいいが個人名は書きたくないので書かない


太郎から一郎へ 「米の収穫量」

 収穫した米は縁側に積み上げられた
 俵の数で三十俵一俵六十㌔として一、八トン
 籾殻やヌカを抜くと八割くらいになるとして一日あたりの量にすると
 一四四〇㌘ これ升目にすると一升くらい
 これのすべてが保有米になるわけではないこの中から供出という年貢を差し引く
 一升のご飯を十人で三食食べるのでは不足である
 この農家は収穫量が絶対的に不足しているのだ
 だからご飯に高梁、豆、芋などを混ぜるのです

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