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疎開児童から21世紀への伝言 18

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通常 疎開児童から21世紀への伝言 18

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前の投稿 - 次の投稿 | 親投稿 - 子投稿なし | 投稿日時 2010/7/8 8:08
編集者  長老 居住地: メロウ倶楽部  投稿数: 4298

 ジオラマ外箱作り
   --平成16年の日記より--1

  田中米昭(東京目黒・向原校)

  二〇〇四年
    六月二十九日(火)晴

 三ッ沢下町の地下鉄の出口から外に出ると、朝の八時半だというのに今日も暑くなりそうだという都会の風で汗ばんでくる。岡本さんから電話で聞いたとおりに五分ほど歩くと右側に作業場らしい建物があってシャッターが半分ほど開いていた。

 中に入るともう四人の方が作業をしていた。ジオラマ作りのお手伝いと聞いていたが想像を超える細かい作りで、いきなり飛び込んできた私には手を出していいものやら、出さなければいけないものやら、「ここはこうなっていたわね」とか「こういうふうに作ったらどうだろうか」とか作るのを楽しんでいるような会話が行き交っていて、疎開という共通の体験があるものの横浜で暮らしたという経験がないものにとっては、疎開の生活を描き出すジオラマの製作には入り込むまでには少々時間がかかりそうであった。
 それでも言われるままに縁側を張り合わせて間仕切りを作ったり色を塗った。していると、「ちょっと…‥」何かを考えていた岡本さんから声がかかった。この時点でもう完成していた「市電」のところで「このジオラマを入れるケースを段ボールで作ってもらいたい」というのである。目の前にある「市電」のジオラマはかなり大きなものになるが、これらが順に完成してくるのでケースに入れて積み上げないと製作場所が確保できないということ、もう一点は最終段階で有隣堂への搬入を考えるとどうしてもケースが必要だというのである。

 そこでケース(箱)について二三の打合せをした。材料は廃ダンボール箱、これは岡本さんが調達してくる。ジオラマの大きさは畳一畳ほどの広さがあるが自体の重量は軽いので三つくらい積み重ねても潰れない程度の強度があれば良い、後は任せてもらえたので早速、この日は『市電』ケースを試作して検討しましょうということになった。初めはそれぞれのジオラマの必要な大きさと高さの中箱に、上から蓋をかぶせるという通常の箱を考えたが、これだと中箱にジオラマを入れる時に手が入らなくて壊してしまう恐れがあることに気がついた。つまり、中箱の底はジオラマよりやや大きめにして高さは15から20㌢位あれば強度は保てるし曲がりはしないだろう。大きめなら手も入るし、入れた後で詰め物をすれば運搬の時に動いて壊れることもないだろう。側板はジオラマの高さに応じて加減し下部はジオラマの発泡スチロールの台と中箱の間に側板を挟む形でガムテープを使って固定し、上蓋をかぶせる形とした。後で考えて見るとこの方法がアバウトであるが融通が利いて使いやすかったようである。

 この日は「市電」のケースを一つ作ってこれならいいだろうということになったが、材料切れで三日後までに段ボールを集めておくという岡本ディレクターの言でこの日は終った。

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