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疎開児童から21世紀への伝言 57

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通常 疎開児童から21世紀への伝言 57

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1
前の投稿 - 次の投稿 | 親投稿 - 子投稿なし | 投稿日時 2010/9/6 8:10
編集者  長老 居住地: メロウ倶楽部  投稿数: 4298

 小さな履歴書  その1

 大石規子(間門校)


 I 誕生

  一九三五年三月十日 横浜市中区本牧和田で生まれる
  丘の麓 海に近い穏やかな屋敷町

  二年後 日本軍の中国侵略
  兆しは幼子の細胞に届いていたはずだが情報を感知する能力はなかった

  ♪金璃輝く 日本の/栄えある光 身に受けて
  今こそ祝え この朝/紀元は 二千六百年/ああ一億の 胸は鳴る

  五歳の私は提灯を持ち大人たちに埋もれながらわが家の門前に並んだ
  提灯行列が続く 赤い火 ゆらゆら

  戦争と歩く運命が始まったのだ
  知らなかった 知ラナカッタ 何モ知ラナカッタ


Ⅱ 幼稚園

  本牧幼稚園への細道
  土手の草にくすぐられながら一人で歩いた 遠かった

  ♪赤イ花 サイタ/黄イロイ花 サイ夕
  照レ 照レ オ日サマ/照レ 照レ オ日サマ

  ♪かもめの水兵さん/ならんだ水兵さん
  白い帽子 白いシャツ 白い服
  波にチヤツプチヤップ うかんでる

  朝日講堂での発表会
  お遊戯 舞台で水兵さんになる

  芋掘りの遠足
  土の中から現われるサツマイモを初めて見た
  お弁当は おにぎり ゆで卵 竹皮に包んだ梅干し

  熱の高い日
  人力車で女のお医者さんが往診に来た

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